中小企業診断士1次試験の自己採点は、試験翌日の午前に協会のWebサイトで公表される「正解と配点」を使って行います。令和8年度は8月3日(月)午前に正解が公表され、9月1日(火)10:00に合格発表と科目ごとの点数がWebで確認できるようになりました。
この記事では、一般社団法人日本中小企業診断士協会連合会の「令和8年度中小企業診断士第1次試験案内」に沿って、試験が終わってから結果を受け取るまでの流れを整理します。自己採点の具体的な手順、合格基準との照らし合わせ方、自己採点と本番の点数がずれる原因、合格発表日にやることまで順に説明します。
1次試験の自己採点と合格発表の結論
最初に、試験後の約1か月で押さえておきたいことを短くまとめます。
押さえておきたい5つのポイント
- 正解は試験翌日の午前に公表される:令和8年度は8月3日(月)午前、協会のWebサイトに全科目の正解と配点が掲載された
- 自己採点の材料は問題用紙のメモ:問題用紙は試験終了後に持ち帰れるため、自分がマークした選択肢を書き残しておけば採点できる
- 合格基準は総点数の60%以上かつ40%未満の科目なし:7科目700点なら420点以上が目安で、1科目でも40点未満があると不合格になる
- 合格発表はWebのみ:令和8年度は9月1日(火)10:00から、試験結果照会のWebページで合否と科目ごとの点数を確認する形式だった
- 2次試験の申込期間は短い:令和8年度は9月1日(火)〜9月18日(金)。合格発表から3週間足らずで締め切られる
自己採点は「見込み」を立てるための作業
自己採点はあくまで見込みです。マークのずれや転記ミスがあれば、本番の点数は自己採点と変わります。また、合格基準は「試験委員会が相当と認めた得点比率」と定められており、最終的な合否は合格発表で確定します。
それでも、自己採点をしておく意味は大きいといえます。合格の見込みが立てば2次試験の準備に早く移れますし、見込みが厳しければ翌年度の計画を早めに考え始められます。現役診断士の視点では、1次試験後の1か月をどう使うかで、2次試験までの準備時間に差がつきます。
1次試験後から合格発表までのスケジュール(令和8年度)
令和8年度の1次試験は8月1日(土)・2日(日)に行われました。試験後の主な日程を表にまとめます。
試験後の公式スケジュール
| 日付 | 内容 | 確認する場所 |
|---|---|---|
| 8月1日(土)・2日(日) | 1次試験(7科目) | 各試験会場 |
| 8月3日(月)午前 | 試験問題の正解と配点の公表 | 協会のWebサイト |
| 9月1日(火)10:00 | 合格発表。合否と科目ごとの点数を表示 | 試験結果照会のWebページ |
| 9月1日(火)〜9月18日(金) | 2次試験の受験申し込み受付 | 協会のWebサイト |
| 10月25日(日) | 2次試験 | 各試験会場 |
| 令和9年3月31日(水) | 試験結果照会で点数を確認できる期限 | 試験結果照会のWebページ |
令和9年度に受験する方は、新しい試験案内で日程を確認してください。年度によって曜日や日付は変わりますが、「試験翌日に正解公表、約1か月後に合格発表、その直後に2次試験の申込」という流れを知っておくと、計画を立てやすくなります。
正解の公表から合格発表までは約1か月
正解の公表から合格発表までは、令和8年度で約4週間ありました。この期間は、自己採点の結果をもとに次の行動を決める準備期間と考えるとよいでしょう。結果が出るまで何もしないで待つと、2次試験までの準備時間が短くなります。
正解と配点の公表で確認できること
自己採点の基準になるのが、協会が公表する正解と配点です。予備校などが独自に出す解答速報とは位置づけが違う点を押さえておきましょう。
公表されるのは各問の正解と配点
協会のWebサイトでは、科目ごとに各問題の正解と配点が公表されます。1次試験は設問によって配点が異なる科目があるため、正答数を数えるだけでなく、正解した問題の配点を足し合わせて点数を出す必要があります。
正解の公表は試験翌日の午前なので、試験当日の夜に答え合わせをしなくても、待つのは1日程度です。1日目の夜に答え合わせをして2日目の集中力を落とすより、2日間を終えてから公式の正解でまとめて採点するほうが、採点の手戻りも少なく済みます。
全員正解・複数正解の扱いがある
問題文や選択肢に不備があった場合、その問題は「全員正解」(どの選択肢を選んでも正解として扱う)や、複数の選択肢を正解とする扱いになることがあります。例えば令和6年度にも、全員正解の扱いになった問題がありました。
こうした扱いも公表される正解に反映されるため、自己採点では協会の公表内容を基準にするのが原則です。一度採点したあとも、合格発表までに協会のWebサイトで正解に関するお知らせが出ていないか確認しておきましょう。
解答速報と公式の正解の違い
| 項目 | 予備校などの解答速報 | 協会が公表する正解と配点 |
|---|---|---|
| 公表元 | 各予備校・教材会社など | 一般社団法人日本中小企業診断士協会連合会 |
| 時期 | 試験当日から出ることがある | 令和8年度は試験翌日の午前 |
| 配点 | 公式発表前は推定の場合がある | 各問の配点が示される |
| 不備問題の扱い | 公式発表前は反映されない | 全員正解などの扱いが反映される |
| 採点の基準としての位置づけ | 参考 | 自己採点の基準 |
解答速報は早く出る点が便利ですが、配点や正解が公式発表と異なる可能性があります。最終的な自己採点は、公式の正解と配点で行い直しましょう。
1次試験の自己採点のやり方|5つのステップ
ここからは、自己採点の手順を順番に説明します。採点ミスを減らすため、紙やスプレッドシートに記録しながら進めるのがおすすめです。
ステップ1:問題用紙に残した解答を確認する
問題用紙は、その科目の試験が終わってから持ち帰れます(途中退室した場合は持ち帰れません)。試験中に、マークした選択肢を問題用紙にも印をつけておけば、それが自己採点の材料になります。
印が不明瞭な問題や、マークを変更したかどうか思い出せない問題は、無理に正解扱いにせず「不明」として分けておきます。
ステップ2:公式の正解と配点を入手する
協会のWebサイトから、受験した科目の正解と配点を入手します。科目免除を受けた科目は採点の対象外なので、受験した科目だけを確認すれば足ります。
ステップ3:科目ごとに得点を計算する
1問ずつ正誤をつけ、正解した問題の配点を合計して科目ごとの得点を出します。採点の結果は、次のような形で記録しておくと後で見返しやすくなります。
- 科目名
- 正解した問題の配点の合計(印がはっきりしている分)
- 「不明」とした問題の配点(正解なら加算される分)
- 40点との差、60点との差
ステップ4:合格基準と照らし合わせる
7科目の合計点が総点数の60%以上か、40%未満の科目がないかを確認します。科目合格の可能性がある場合は、各科目が60点以上かどうかも見ておきます。詳しい読み方は次の見出しで説明します。
ステップ5:結果と見込みを記録しておく
採点結果は、合格発表で表示される科目ごとの点数と比べられるように残しておきます。自己採点と本番の点数に差があれば、マークミスなど本番の解き方の課題が見えてきます。
翌年度に再受験する場合も、科目ごとの得点と、どの分野で失点したかの記録は学習計画の材料になります。
自己採点の結果の読み方|合格基準と照らし合わせる
1次試験の合否は、試験案内に定められた合格基準で判定されます。自己採点の結果は、この基準に当てはめて読みます。
1次試験の合格基準
- 試験合格:総点数の60%以上であって、かつ1科目でも満点の40%未満のないこと(試験委員会が相当と認めた得点比率)
- 科目合格:満点の60%を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率以上の科目
7科目すべてを受験した場合は700点満点なので、420点以上が合格の目安です。科目免除を受けている場合は、受験した科目の合計点で60%以上かどうかを判定します。
1科目でも欠席した場合は、1次試験全体の合格基準は適用されず、受験した科目ごとに科目合格かどうかで判定されます。
自己採点のパターン別の見方
| 自己採点の結果 | 見込み | 合格発表までにやること |
|---|---|---|
| 合計が60%を十分に上回り、40点未満の科目なし | 試験合格の見込みが高い | 2次試験の準備を始める |
| 合計が60%前後(±数点) | 合否が読みにくい | マークミスの可能性も踏まえ、2次の準備と翌年度の計画を並行して考える |
| 合計は60%以上だが40点未満の科目がある | 試験合格にはならない | 60点以上の科目を確認し、翌年度の免除申請を検討する |
| 合計が60%に届かない | 試験合格は難しい | 科目合格の有無を確認し、翌年度の計画を立てる |
60%ちょうど付近の場合は、「不明」とした問題の扱い次第で結果が変わることがあります。楽観にも悲観にも寄せすぎず、両方の可能性に備えておくのが現実的です。
40%未満の科目は「足切り」になる
合計点が60%を超えていても、1科目でも40%未満の科目があれば試験合格にはなりません。受験生のあいだでは「足切り」と呼ばれています。自己採点では合計点だけでなく、最も低い科目の点数を最初に確認しましょう。
科目合格の効果
試験合格に届かなかった場合でも、60点以上の科目は科目合格になります。科目合格した科目は、翌年度と翌々年度の1次試験で、受験申込時に申請すれば免除を受けられます。免除を使うかどうかは任意で、使い方は科目免除の解説記事で詳しく整理しています。
自己採点と本番の点数がずれる主な原因
自己採点で合格ラインを超えていても、本番の点数が下回ることがあります。主な原因を知っておけば、自己採点の結果を慎重に読めるようになります。
マークのずれ・塗り漏れ
最も多いのは、解答用紙(マークシート)の記入ミスです。問題を1問飛ばしたまま次の解答欄に記入すると、以降の解答がまとめてずれます。塗りが薄い、消し残しがあるといった理由で、正しく読み取られない場合もあります。
試験案内でも、黒鉛筆またはシャープペンシル以外で記入した場合は正しく読み取れず、採点されない場合があるとされています。
問題用紙への転記ミス
問題用紙に残した印と、実際にマークした選択肢が違うケースもあります。見直しでマークを変えたのに、問題用紙の印を直し忘れた場合などです。自己採点で「不明」とした問題が多い場合は、その分だけ誤差が大きくなると考えておきましょう。
配点の計算違い
科目によっては設問ごとに配点が違うため、正答数に一律の点数を掛けると計算がずれます。小問に分かれた問題の配点も含め、公表された配点表どおりに足し合わせているか確認します。
正解の扱いの変更
前述のとおり、出題に不備があった問題は全員正解などの扱いになることがあります。採点後に協会のWebサイトで正解に関するお知らせが出ていないかも見ておきましょう。
合格発表当日にやること|試験結果照会と2次試験の申込
令和8年度の1次試験の合格発表は、9月1日(火)10:00からWebで行われました。郵送での通知はないため、自分でログインして確認します。
試験結果照会のWebページで確認する
合格発表日の10:00から、試験結果照会のWebページで次の内容を確認できます。
- 合否
- 受験した科目ごとの点数
- 合格証書・科目合格通知書のダウンロード
ログインには、受験申し込みに使ったユーザIDと受験番号が必要です。受験票を紛失して受験番号がわからない場合は、協会のWebサイトにある「受験番号の照会について」の案内に沿って照会できます。
合格証書・科目合格通知書は紙で届かない
令和8年度は、合格証書や科目合格通知書を紙で発行していません。ダウンロードを忘れると手元に何も残らないため、発表日のうちに保存しておきましょう。
- 点数が表示された画面をスクリーンショットやPDFで保存する
- 合格証書・科目合格通知書のPDFを複数の場所に保管する
- 自己採点の記録と、本番の科目ごとの点数を並べて残す
試験結果照会で点数を確認できるのは、令和9年3月31日(水)までです。期限後に点数を知りたくなった場合の方法は、得点開示の解説記事で説明しています。
1次試験に合格したら2次試験の申込を忘れずに
令和8年度の2次試験の受験申し込みは、9月1日(火)〜9月18日(金)でした。受付期間を過ぎると申し込めないため、合格を確認したら早めに手続きを済ませます。2次試験の受験料は、令和8年度から15,100円です。
1次試験合格の有効期間は、合格年度とその翌年度の2年間です。その年の2次試験を受けない場合でも、翌年度の2次試験は1次試験を受け直さずに受験できます。
自己採点の結果別・合格発表までの過ごし方
自己採点の結果によって、合格発表までの約1か月の使い方は変わります。状況別に整理します。
合格の見込みが高い場合
合格発表を待たずに、2次試験の準備に移るのが時間の使い方としては効率的です。1次試験から2次試験までは3か月弱しかありません。2次試験は4つの事例を記述式で解く試験で、1次試験とは解き方がまったく違います。
まずは2次試験の過去問を1年分読み、出題形式に慣れるところから始めるとよいでしょう。2次試験の全体像は2次試験の基本で整理しています。
合否がボーダー付近の場合
合計点が60%前後の場合は、2次試験の準備を少しずつ始めつつ、合格できなかった場合の翌年度の計画も考えておくと安心です。
2次試験の準備は、1次試験の知識の復習にもつながります。結果が不合格でも、2次の事例を読んだ経験は翌年度に活かせます。どちらに転んでも無駄になりにくい準備から手をつけましょう。
合格が難しい見込みの場合
試験合格が難しい見込みでも、科目合格になりそうな科目は翌年度の戦略に影響します。60点以上が見込める科目と、40点に届かなかった科目を分けて、翌年度にどの科目を受験するかを考えます。
1次試験の合格率は年度によって変わり、令和5年度29.6%、令和6年度27.5%、令和7年度23.7%でした。1回で合格できない受験生も多い試験なので、結果を受け止めて計画を立て直すことが大切です。
不合格・科目合格だった場合の次の一手
合格発表で不合格だった場合も、科目ごとの点数は翌年度に向けた重要な情報になります。
点数から弱点を分析する
科目ごとの点数を、自己採点の記録と照らし合わせて振り返ります。
| 点数の状況 | 考えられる課題 | 翌年度の対策の方向 |
|---|---|---|
| 60点以上(科目合格) | ― | 免除を使うか、再受験して得点源にするかを判断 |
| 40〜59点 | 知識の定着が不十分、または時間配分の問題 | 過去問の分野別演習で失点分野を補強 |
| 40点未満 | 学習量の不足、または苦手分野の放置 | 基礎からの学び直し。足切りを避ける対策を最優先 |
| 自己採点より大きく低い | マークミスの可能性 | 本番形式の演習でマークの手順を習慣にする |
科目合格を使うかどうかを判断する
科目合格した科目の免除は、翌年度の受験申込時に申請します。免除を使えば学習する科目は減りますが、免除科目は試験合格の判定で使う合計点に含まれないため、残りの科目で60%以上を取る必要があります。
得点源にできる科目を免除すると、かえって合格基準に届きにくくなる場合もあります。自分の得点の傾向を見て判断しましょう。
翌年度に向けて過去問で振り返る
本番の問題を解き直すと、どこで失点したかが具体的にわかります。診断士エアポートの過去問ページでは、令和8年度を含む1次試験の過去問を科目別に解き直せます。1次試験全体の得点の組み立て方は、1次試験の合格戦略も参考にしてください。
よくある質問
Q1. 1次試験の正解はいつ、どこで公表されますか?
令和8年度は、試験翌日の8月3日(月)午前に、日本中小企業診断士協会連合会のWebサイトで正解と配点が公表されました。自己採点は、この公式の正解と配点で行うのが原則です。翌年度以降は、その年度の試験案内で公表予定日を確認してください。
Q2. 問題用紙に解答を書き残していなくても自己採点できますか?
マークした選択肢の記録がなければ、正確な自己採点はできません。記憶をもとに採点することはできますが、誤差が大きくなります。次の試験に備えて、試験中にマークした選択肢を問題用紙にも印をつける習慣をつけておきましょう。
Q3. 自己採点で420点を超えていれば合格ですか?
7科目を受験して合計420点以上、かつ40点未満の科目がなければ、合格基準を満たしている見込みです。ただし、マークのずれなどで本番の点数が下がる可能性があり、合格基準も「試験委員会が相当と認めた得点比率」とされています。合否は合格発表で確定します。
Q4. 合格通知は郵送で届きますか?
令和8年度は、合格発表がWebのみで行われ、合格証書や科目合格通知書は紙で発行されていません。試験結果照会のWebページにログインし、合否と点数を確認したうえで、合格証書などをダウンロードします。
Q5. 試験結果照会で点数を確認できるのはいつまでですか?
令和8年度の1次試験は、令和9年3月31日(水)まで確認できます。期限を過ぎると画面では確認できなくなるため、合格発表日のうちにスクリーンショットやPDFで保存しておきましょう。期限後は、保有個人情報の開示請求で得点を請求する方法があります。
Q6. 自己採点で合格の見込みなら、合格発表前に2次試験の勉強を始めるべきですか?
合格の見込みが高い場合は、合格発表を待たずに始めるのが時間の使い方としては効率的です。1次試験から2次試験までは3か月弱しかなく、2次試験の申込も合格発表日から始まります。ボーダー付近の場合も、2次の過去問を読むなど、どちらに転んでも役立つ準備から始めるとよいでしょう。
Q7. 科目合格の免除は自動で適用されますか?
自動では適用されません。翌年度または翌々年度の受験申込時に、免除を申請する必要があります。申請するかどうかは任意なので、得点戦略を考えたうえで決めましょう。
まとめ
- 1次試験の正解と配点は、令和8年度は試験翌日の8月3日(月)午前に協会のWebサイトで公表された
- 自己採点は、問題用紙に残した解答を公式の正解と配点で採点する。正答数ではなく配点の合計で計算する
- 合格基準は総点数の60%以上かつ40%未満の科目がないこと。7科目なら420点以上が目安だが、合否は合格発表で確定する
- 合格発表はWebのみ(令和8年度は9月1日10:00)。点数の保存と合格証書のダウンロードを発表日のうちに済ませる
- 合格したら2次試験の申込期限(令和8年度は9月18日)に注意し、自己採点の段階から2次の準備を始める
令和9年度に受験する方は、試験案内が公表されたら正解の公表日と合格発表日を確認し、試験中に解答を書き残す練習も過去問演習のなかで重ねておきましょう。
診断士エアポートでは、全7科目の映像授業と過去問演習を月額3,980円で提供しています。 受験を本格的に検討する方はトップページをご覧ください。
出典・参考
- 一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会「令和8年度中小企業診断士第1次試験案内」
- 一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会「令和8年度中小企業診断士第2次試験案内」
- 一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会 公式統計(令和5〜7年度 第1次試験の合格率)

